『Volume6』 ~夏全開!疾走感あふれる1枚。【 2000年以降のアルバムを振り返る・その3】
このアルバムを語るのにはちょうどいい季節です。
『Volume6』、その名の通り6枚目のオリジナルアルバム。
2001年8月9日発売。
曲順
- Hello
- Top Checker [Coming Century feat.井ノ原快彦]
- Ride on Love
- 夏のメモリー
- 情熱のRainbow
- JUST YOU CAN MAKE ME HIGH [Masayuki Sakamoto & Junichi Okada]
- キセキのはじまり (Sunset Breach Mix)
- X.T.C.beat [20th Century feat.三宅健]
- CHANGE THE WORLD
- Over Drive [Hiroshi Nagano & Go Morita]
- 愛のMelody (long long a GO!GO! Mix)
- SHODO (Dub's club Remix Edit) [Coming Century]
- ねむい休日
- キセキのはじまり
ある年の『THE MUSIC DAY』で発覚した、「V6のシングル曲は季節感に乏しい」という事実。
ジャニーズメドレーが「夏曲メドレー」というテーマだったのに、V6関連で歌われたのはカミセンの『夏のかけら』。
「そう言えば、V6のシングルで『夏の曲』ってないよね⁉」とネットが騒然となりました。
夏の曲だけではない、春夏秋冬、J-POPの定番である「桜ソング」すらない。
シングルに「桜ソング」がないことは薄々勘づいてはいたけれど、それどころか「季節感に乏しい」ことも、私はこの時初めて気づきました*1。
ではアルバムは?と振り返ってみると、アルバムにもその傾向はあるようです。
「冬」をテーマにしたミニアルバム『GREETING』以外*2は、1stアルバム『SINCE1995~FOREVER』から8枚目『∞ INFINITY ~LOVE&LIFE~』までは発売タイミングは夏なのに、「夏」をテーマにした楽曲はあまり無い。
その中でこの『Volume6』は、夏をテーマにした楽曲もあるし、何より全体が「夏」っぽいのです。
まずは夏をテーマにした曲、タイトルでずばりの『夏のメモリー』。
「裸になろう 夏だぜ~」でサンバ全開の『情熱のRainbow』。
そして夏曲としては異例のゆったりテンポながら、非常に印象深いのが『JUST YOU CAN MAKE ME HIGH』。
歌い出し(坂本さんパート)、
「観測史上最大の
大嵐の去った後のように 晴れ渡る」
この冒頭部分、「観測史上最大」なんてお堅い気象用語がいきなり出てくるのが驚きで、また「かんそく しじょう さい だいの」というリズムの刻み方が独特で、またそれを坂本さんが絶妙に歌いこなしているのが耳に残って…って、いつも坂本昌行礼賛になってすみません(笑)。
しかしその坂本さんに、遜色なくついて行っているのが当時伸び盛りだった岡田くん。
元々の低音ボイスに男っぽさが加わり、ラスト大サビのユニゾン部分では大人の色気さえ漂わせる。最年少なのに。
この頃の岡田くんは、ビジュアルの美しさも最高潮で、歴代ジャニーズでも屈指の“美青年”(私比)に成長しておりました。
なのでぜひ、スタイル抜群最年長と2人並んでTVの歌番組に出て欲しい、この歌を歌って全国にV6の名を轟かせて欲しい…と切に願っていたものです。
楽曲ももちろん佳曲。かなり本格的なR&B調で、今の坂本岡田コンビで歌ってもハマるのではないかと思っています。
もう一つこのアルバムに特徴的なのが、『Top Checker』、『Over Drive』、トニセンのコンサートで根強い人気を博す『 X.T.C.beat』といった、疾走感とインパクトのある曲がひしめいていること。
3曲ともユニット曲ですが、『Top Checker』、『 X.T.C.beat』はカミセン、トニセンそれぞれにもう片方のメンバーを1人フィーチャリングとして加えるという、目からウロコの方法を使ってきました。
カミセンの中にイノッチの声が、トニセンの中に健の声が入るだけで新鮮に聞こえる。
ただ、これが「新鮮」と思えるのは、トニセンとカミセンが全くカラーの違う、独自のグループとして機能していればこそ。
まさに“V6ならでは”なのです。
アルバム最後に付いている、恒例のノンストップリミックス*3も「Latin Disco Edit」で、アルバム全体が「夏」のイメージで統一されている感じです。
で。
ここから先は、私個人の好みの話になるのですが、
『ねむい休日』が 大 好 き で。
もともと「恋愛中、うまく行っているはずなのに、時々頭をもたげてくる不安」を歌ったラブソングに非常に弱い。
(ジャニーズでの例・光GENJI『しょーがないよ!』、SMAP『DON'T CRY BABY』など)
V6にもそういう曲は結構あるんですが、中でもこの曲は、休日ののんびりした雰囲気と、そこにふと忍び込んでくる不安との対比が、とても印象的なんです。
「君が 君が 退屈じゃないかと 以前なら 心配していたよ」
「いつか いつか この愛試しに 悲しみが来る日も 寄り添える」
あまりにも平穏な日常、だから逆に、心配になったりネガティブなことも考えてしまう。ワカル(自分の心配性がモロ出)。
この曲の次が『キセキのはじまり』。こちらも、そういう傾向の歌ですよね。
実はV6のアルバムにおいて、「本編にシングル曲が二度入っている」のはこの『キセキのはじまり』だけなんですよ。
(特典のボーナストラックとしてバージョン違いが入っている曲はあります。例・『music mind』の『UTAO-UTAO“music mind ver.”』など。)
何故なのか、正確な理由は謎なのですが*4、ただ『ねむい休日』からの『キセキのはじまり』でアルバム締め、というのはキレイなオチの付け方だと聴いていて納得します。
そのための“二度使い”なのではないかと。
という訳で、V6アルバム史上最も夏全開!なアルバムを、夏の間にご紹介できて良かった。
“アルバム振り返り企画”を思いついたのは5月の終わりくらいで、その時点ではアルバムは2017年発売の『The ONES』が最後だと思っていたんですよ。
まさか最後の最後にオリジナルアルバム『STEP』を出すとは。
それも発売日は 9/4(フラゲ日は8/31)。
10月くらいまでにゆっくり振り返ればいいや~というゆるめの目論見、外れる。
アルバム発売自体はすっごくうれしいけど!
8/31までにできるかなあと7アルバム!
自分で自分の首を締めるとはまさにこのこと(笑)。