ほんのりへそ曲がり

「アイドルは楽曲だ」という信条のもと、楽曲を中心にV6と関ジャニ∞を語る

『味園ユニバース』感想(ネタばれあり)

先日2回目を見て、ようやく感想を書けると思ったんですが、とにかくまとまらなかったんです文章が~。

なので、とりあえず思ったことを箇条書き。

●「渋谷すばるありき」の上に「歌以外忘れた主人公が歌によって救われる」という、身も蓋もなく言うと“夢物語”。だからここで選定される「歌(音楽)」の性質によってはうっかりただのアイドル映画になってしまうところでした。(例えば普通のシュッとしたバンドにポチ男が入ったとしたら・・・)

いやこれでも「アイドル映画」って思う人はいるかも知れないけど。

渋谷すばるありきの映画」だし。

●ベースになる音楽に、ちょっと粘質なものを選んでくれたのは、個人的に嬉しかったです。すばるにはねっとりした情感の音楽が合うとずっと思っているので。

(このブログにも書いたような気がするんですが・・・探し出せなかった。多分どっかに書いてあります)

●とにかく『赤犬』の存在はでかかった。生活感ありつつどっか胡散臭い(^^;。ポチ男をほいほい受け入れちゃう大人の余裕(テキトーさ)もあり。

ポチ男がケガの手当てをしてもらっている横でもらっているギャラが小銭だったりとか、ボコボコにされたショウを見ても大して慌てないとことか(ケンカなんて慣れてる感)。

赤犬に混ざったポチ男が、溶け込んでいるような浮いているような微妙な感じになるのも良かった。

●『ココロオドレバ』の練習風景が面白かった。「裏打ちで、若い感じで」とか指示受けてそれにメンバーが対応していって、曲ってああいうふうに作っていくんだなと。

●スイカのタネ飛ばすシーンは、パンフに「ポチ男とカスミが距離を縮めて行く名シーン」なんて書かれていますが、あそこ途中から「すばる」に戻っちゃってます。特に立ち上がって飛ばすとことか、よく見るすばるの表情してる(^^。

●最後のライブシーンでも茂雄というかもう「すばる」になっちゃってますよね。まああそこは素に戻った、というより「大森茂雄」と「渋谷すばる」がシンクロしているように見えるので、アリかなと思いますが。

●ストーリー的には“夢物語”なんですが、現実的なことをうまい具合に挟み込んで、嘘くさくならないぎりぎりのバランスはとれていると思います。

中盤で主人公・ポチ男=茂雄が捨てていった家族が登場、ポチ男のどうしようもない面が語られているのがその「現実」の一つ。

特に茂雄のお姉さんは印象深かった。(同年輩の女性だから気持ちがわかる、というのもあって)

茂雄とやり合うシーンの緊迫感、最後の「ほんまに死んでくれんか」という捨て台詞。

この台詞は彼女の、言葉のあやではない本音がうかがえて、ぐっさり刺さりましたね。

●あと、常に出て来る凶器が「金属バット」なのが、イヤな感じにリアルでした。今どきの手っ取り早い凶器だもんなー・・・。

二階堂ふみちゃん、独特のふてぶてしさがある。以前『黒田官兵衛』の淀君役を「イっちゃってる」と書きましたが、イっちゃってるというよりは、若いのに妙に貫禄がある、っていう方が近いかも。それでいてちゃんと可愛さもあるから魅力的なんですが。

「カスミ」「やっと呼んだな」のシーンが胸キュン。

鈴木紗理奈さんもステキだった。この2人を見てると「掃き溜めに鶴」という言葉が浮かびました。

●クライマックスで、カスミが茂雄の襲撃現場に駆けつける部分がナゾ。あれはカスミが、茂雄をボコるようにタクヤの会社に依頼したんですか?そうでないとカスミがあの場所を知っている説明がつかない。まさか茂雄のピンチにカスミが駆けつけて、あの場の全員をボコボコにして茂雄を助け出した・・・わけはないですよね(最初見た時そうかと思った)。

てな感じです。こういう生活感、というか生活臭がある映画は好きなので、個人的にはがっつりハマりました。

そして赤犬を聞いてます。

映画よりさらに胡散臭くて不謹慎、おまけにやや下品です。あまりお薦めはできないかも(^^)。