ほんのりへそ曲がり

「アイドルは楽曲だ」という信条のもと、楽曲を中心にV6と関ジャニ∞を語る

『羊の木』感想(ネタばれあり)

見終わった直後の感想は「…へー」くらいなんだけど、思い返すと後からじわじわ来る。

とにかく、宮腰が、松田龍平ってだけで怖い(^^;)。

最初の一言「いい所ですね」からもう、ぞわぞわくる。

でも自分が言い続けていたその一言を先に言われた瞬間、月末は一発でハートをゲットされてる。

宮腰には「罪悪感」というものがないからか、素振りでなく本気で無邪気だったりピュアだったりするので、文も月末も見事にコロッと騙される。

こちらは「宮腰には絶対何かある」と終始感じながら見ているから、ハラハラさせられっぱなし。

案の定月末は崖っぷちに連れて行かれ、窮地に追い込まれる。

でも首まで締められるのに、飛び込もうとする宮腰を追ってしまう月末君、人良すぎだって。

結果、手引っ張られて一緒にダイブ…(^^;)。

のろろ様のおかげで助かったけど。

そこまで話が割と淡々と進んでいたので、のろろ様の首がバーンと落ちるあのクライマックスはなかなかのインパクトでした。

本物の殺人鬼と本物の悪党・杉山が消え、残ったのは更生の意志はありそうな4人だけ…でも、これがまた微妙。

ラストには4人全員に救いのあるシーンが用意されているが、不安の種もそれぞれに蒔かれている。

床屋の福元と、墓を作り続ける栗本は自身を御し切れるかが自信なさげだし、クリーニング屋の大野も。

水揚げされるのろろ様を見る顔が何とも言えない暗い表情で、見ている側を不安にさせる。

大野の正体がバレた後のクリーニング屋の店主とのやりとりは、この映画で一番(というか唯一?)温かみのあるシーンだったので、大野には何とか更生して欲しいと思うんだけど。

(店主役の安藤玉恵さん、素敵でした。)

個人的に、一番ヤバそうな感じがするのが太田(優香)。

彼女はいわゆる“魔性の女”。

「刑務所に行くようなことはもうしません」と本人は言っているけど、トラブルを無意識に呼び込むタイプだと思われる(月末の父親も、彼女がらみで怪我してるし)。

だからなのか、彼女自身にはほとんど罪悪感がない。この点は宮腰と一緒なんだよね…。

これから大変だよ~月末君。

太田が月末を「はじめさん」と呼び、月末が戸惑うやりとりが面白かった。

この2人がかつて『パパドル』というアイドルドラマで夫婦役だったことを思い出し、なおのこと面白かった。

「国家的プロジェクト」の設定はあまり生かされてないけど、もう1回見たくなる映画ではあります。

でもDVDは多分買わない…。

だってトラウマクラスに怖いんだよ松田龍平が。

あんな奴が出て来る映画、あまり手元に置いておきたくないです…(^^;)。