ほんのりへそ曲がり

「アイドルは楽曲だ」という信条のもと、楽曲を中心にV6と関ジャニ∞を語る

『TOP HAT』感想・2

ヒロイン・デイル役の多部未華子さん。

とにかくキュート!

この作品の見どころの一つは衣装。

第一週目に7列目で観て、いい素材使ってるなーと思ったら、ロンドン公演で使ったものをそのまま持って来たのだとか。

どうりで色使いのセンスはいいし、ドレスのラインは綺麗だし。

そしてその素敵なドレスを完璧に着こなす、多部デイルのキュートさよ。

冒頭のガウンから馬術服(っていうのか?)、メインビジュアルにもなっている両袖ふわふわの白いドレス。

もう立っているだけで何もしなくても可愛い!

個人的にはラストで着ている、ゴールド素材のドレスが一番好きかなあ。

ジェリーとのダンスシーンで、ダンスに合わせて紐飾りが踊るように揺れるのが素敵でした。

歌がちょっと難有りでしたが…(^^;)。

踊りながら歌う部分では声が時々途切れたり。

私が第二週目に観た時は、二幕の見どころ、ソロバラードの歌い上げる部分で声が伸びず、がんばれ多部ちゃん!と思わず拳を握りしめる場面も。

まあミュージカル初挑戦にしていきなりブロードウェイものだから…大変だったとは思います。

でもダンスは、本当に初めて!?と驚くほど上手かった。

芝居での身のこなしの軽やかさといい、あまりそういうイメージなかったけど、身体能力が高い方なのね。

二幕目でジェリーを必死に誘惑(?)するシーンの体当たりっぷり、何回観てもおかしかった。

あれは体の動きのキレがないと笑えない。

そんなコメディエンヌぶりも含め、総合的には魅力的なヒロインでした。

心配していた歌も、三週目には復活していたし(歌自体が下手な訳ではなく、スタミナの問題と思われる)、これから大阪公演、楽日までがんばれ多部ちゃん!

さて、そのデイルが着る素敵なドレスをデザインしているアルベルト役・屋良くんも良かった。

ダンスはもちろん、舞台での立ち居振舞いも基礎がしっかり出来ている感じ。

そのあたりが“我流”になりがちなジャニーズタレントが多い中、いい意味でジャニーズっぽさがなかった。

調べたら、結構外部の舞台での場数踏んでいるのね。これからもどんどん外部へ活躍の場を広げて欲しいです。

益岡さん、朝海さん、浅野さんは、安定の名演技。

朝海さんはさすがの元タカラジェンヌ、ドレス(赤いドレスが特にステキだった)の裾さばきが見事。

デイルに比べてろうたけた大人の女、でもコケティッシュな面もあるマッジは、非常に魅力的でした。

浅野和之さん、好きなんですよ~。

今回共演と聞いて、うれしくて。

歩いているだけなのに何かおかしみのある、執事ベイツ。いい味出してました。コメディリリーフ的な役と思いきや、最後にジェリーとデイルの前で言う「私はまだ出会っていませんが、お二人は出会われたのです」という台詞、沁みました。

コメディだけに、公演が進むにつれ皆さんだんだんハメを外して来るんだけど(益岡ホレスのやられっぷりがヒドくなっていく…)、そこはベテランばかりなのでふざけるさじ加減も心得られております。

肝は外さない。けれど何度観ても笑ってしまう。

ひさびさに質の高い、大人のコメディを見せていただきました。

ああ、幸せな11月だった…。