ほんのりへそ曲がり

「アイドルは楽曲だ」という信条のもと、楽曲を中心にV6と関ジャニ∞を語る

水と雨と羽根~『V6 For the 25th Anivversary』感想・3

  

セットリストを再掲します。

 

  • Right Now
  • KEEP GOING
  • Supernova
  • SILENT GALAXY
  • Wait for You
  • サンダーバード -your voice-
  • 星が降る夜でも
  • ある日願いが叶ったんだ
  • Swing!
  • SPOT LIGHT

       (MC)

  • All For You
  • PINEAPPLE
  • TLのインストでダンス。事前収録
  • GOLD
  • Can't Get Enough
  • Air
  • It's my life
  • SPARK
  • Super Powers
  • WALK
  • 羽根~BEGINNING~

     アンコール

  • 明日の傘
  • クリア(初発表曲)
  • Full Circle

 

 

中盤、恐らく一番の"攻めどころ"、『TL』のインストでコンテンポラリーダンスを踊るシーン。

ここで躍動感・生命感を演出するためか、水が使われている。

今は特攻の技術も進んでいるから、炎とか風とかいろいろ使えるんだろうけど、ここでは水。

 

続く『GOLD』、『Can't Get Enough』でも、足元の LEDライトが水のような波紋を描き、"水"の演出が続く。

2回目の配信を観ながら、これは本編ラストの『羽根~BIGINNING~』へのつながりでもあるのかな、と勝手に考えました。

 

 

『羽根~BIGINNING~』という曲は、とにかく印象に残る演出をされてきた楽曲です。

 

初披露されたのが2000年の『"HAPPY" Coming Century, 20th Century forever』ツアー(東京、大阪の2か所でしたが)。

この時披露されたのが「羽根」演出(どういう内容かは、ネタばれになってしまうので脚注*1で)

映像作品として残っています。

 

avex.jp

 

次が2003年のコンサート『LOVE&LIFE』のVVプログラムの本編ラスト。

これが伝説(多分)の「雨」演出です。

 

「雨に打たれて 陽に灼かれ…」という歌詞とともに、センターステージで輪になった6人の周りに雨が降り注ぐ。

 

今でこそ、東京ドームクラスでもステージに雨を降らせることは可能ですが、15年以上前の当時、「1万人規模の会場の、それもど真ん中に雨を降らせる」なんて、とんでもない演出でした。

 

…多分。多分連発ですみません、何せ素人なもので。

 

でもあの「雨」が降り始めた瞬間、客席から上がったのは、歓声というよりは驚愕の「どよめき」だったことを鮮明に覚えています。

 

これも映像作品あります。

 

avex.jp

 

本当に衝撃的で、感動的なシーンでした。

 

もう一度観たかったけれどチケットは1回分しか当たってなくて、当時埼京線で通勤していたので毎日代々木第一体育館の脇を通る訳ですよ。

行きも帰りも必ず体育館が見える場所に乗って、車窓の隙間からほんの少しのぞく体育館を、見えなくなるまでじーっと眺めていました。

コンサート期間中、毎日。

あそこであの夢のような出来事が、今日も起きているんだ…と思いながら。

 

…冷静に考えると通勤している日は平日だから、金曜日以外はコンサート開催していないんですよね…。

あの頃の自分、だいぶ憑りつかれていました。

それほど私の中では、あの「雨」は印象深い演出だったのです。

 

 

今回、センターステージに6人が集まって『羽根』のイントロが鳴った時、最初に思ったのは「雨だ!」でした。

またあの時みたいに「雨」が降る!と。

 

果たして期待通り、あの日のように、代々木体育館の中心に雨が降り注ぎました。

 

この「雨」が再び観られるなんて、17年前は考えてもみなかった。

ただただ感激しました。

 

水のカーテンのような「雨」の向こう側に、17年経っても変わらない、けれどどこかが変わった、6人の姿が透けて見える。

ここでメンバー一人ひとりの表情をとらえるストップモーションカメラの使い方、抜群でした。

 

 

雨も太陽も、恵みを与えることもあれば、障壁になることもある。

17年ぶりに観られたこの美しい「雨」に感動しながらも、この「雨」は現状の"障壁"の象徴でもあるのかも、と考えました。

 

楽曲の最後に、雨は止む。

それもただ、雨を止ませる---ステージ上に水を降り注がせるのを止める、という手法を取るのではなく、逆再生を使って雨が地上から天に戻っていくように見せ、そして雨は止んだ、すべて天へ消えていった---という表現で、"雨を止ませ"ました。

 

これは「この雨はいつか止む」というメッセージなのではないかと。

と同時に、現状に限らず、「すべてのことはいつか終わる」ことを表しているようにも思えました。

 

雨が地上から逆に天へ戻り、そして"消える"。

その光景があまりにも印象的過ぎて。

 

このシーンで本編は終幕を迎えます。

最後に出た「V6」という黒い字幕の画面の前で、私はしばらく動けずにいました。

 

「すべてのことはいつか終わる」。

そう思うと、心の中に何かがすーっと染み込んでいくような、腑に落ちるような気がしました。

17年前受けた衝撃とは違うけれど、これもまた別の意味で"衝撃"なのかも知れません。

(語彙力…)

 

 

 

さて。

1ヶ月近くかけて感想を書いてきましたが、今回私の中で一番心に残ったのはやはり、この『羽根~BIGINNING~』 でした。

 

2000年発売のアルバム『"HAPPY" Coming Century, 20th Century forever』のリード曲。

 

先述した2000年、2003年のツアーだけでなく、2010年『Ready?』ツアーでも歌われています。

ファンにも人気の曲ですが(今回のアンケートでも上位に食い込んだと思われる)、メンバーにも印象的な、大切な曲なんだと思います。

20年前の曲ですが、いつまでも色あせない、深い楽曲です。

 

 

私個人にも思い入れがある楽曲で、しかも印象深い「雨」演出まで再現してくれたので、もう思い残すことはありません。

円盤化を切にお願いします。(思い残しありました)

エイベックス様よろしく!

 

 

*1:オープニング『over』でさいたまスーパーアリーナの天井(!)から羽根を付けて6人が降りてくる。それを受け、本編ラスト曲『羽根~BIGINNING~』を歌い終わると、6人を地上に残してその羽根だけが天へ帰って行く、という非常にドラマティックなエンディングになりました。ちなみにこの演出はさいたまスーパーアリーナ公演のみ。大阪公演では別の演出でした。当時会社を辞めてて時間があったので、大阪公演も観に行ったので知ってます…けど、その別演出の内容を覚えていない…(涙)。