備忘録としての『ONE MAN STANDING 2019』感想・2~"ミュージカル俳優"としての坂本昌行
今回、何が驚いたって、ミュージカルパートの『グレイテスト・ショーマン』ですよ。
坂本さん、はっきり言い切りましたからね。
「もしミュージカル化されたら、日本版(の主役)は自分がやりたい」と。
無欲とまでは言わないけど、基本的にあまり前に出ない人です。
むしろもうちょっと、自己主張してもいいのでは、と思っていた人です。
それがここまではっきり言うとは・・・・・・。
しかも、地元アメリカからすらミュージカル化の噂も聞こえて来ない『グレイテスト・ショーマン』を、日本で先にやってしまうとは。
さらにさらに驚いたのは、選んだナンバーが『FROM NOW ON』。
てっきり、『THIS IS ME』と並ぶくらいにメジャーで、坂本さん自身が去年のWOWOWのトニー賞特番で披露した『THE GREATEST SHOW』をやるんだと思った。
それが、特注の“ショーマン”の衣装を着て歌い出したのは、『FROM NOW ON』。挫折したバーナムが立ち直っていく、クライマックスの曲。
映画は日本語吹替版もありましたが、日本語になっているのは台詞だけで、歌は原曲のままだった。
つまり、このためにわざわざ訳詞までしてもらっているのです。
本気だ。ガチでバーナム役獲りに来てる、この人。
このシーンを録画したやつ各方面に見せて、売り込む気満々じゃん!
現実問題、『グレイテスト・ショーマン』がミュージカル化されるとしてもだいぶ先になるだろうし、そうなると坂本さんがバーナム役をやるのは厳しいだろうな、年齢的に。
でもこのシーンをプロモーションすることで、別のミュージカルの日本版のお話が来るかも知れない。
どう転んでも前向きな結果が出そうなチャレンジだと思います。いいぞいいぞ。
正直、そろそろ年齢的に厳しい面も出てきているかな……と感じている。
高音が以前より出にくくなってるような気がします。
練習不足、なのかも知れないし、加齢によるものかも知れない。
後者だったら……まあ仕方のないことなのだけど。
でも坂本さんにはそんなことで、怯んで欲しくない。
年齢なんかに縛られず、貪欲に突き進んで行って欲しい。
本人も「年齢を言い訳にしない」って言ってるしね!
それに、加齢によって衰えていくのは、体力面だけではない。
精神力もです。情熱も年とともに枯渇するんです(切実)。
坂本さんのように、ミュージカルに対する情熱を保ち続けられるというのは、一つの才能だと思う。それだけで、非凡な人なんだと思う。
同年代として私も頑張りたい。凡人なりに。
そうだ、トニー賞と言えば、WOWOWの特番、今年はKinKi Kidsの光一くんがスペシャルゲストですね。
去年は井上芳夫さんとダブル主演で、満を持しての外部の舞台出演。それが買われての起用だと思われます。
『ONE MAN STANDING』に対する力の入れよう(服部克久さんなど、アレンジャー陣が信じられないくらい豪華だった)といい、事務所側も若手を育てる一方で、大人の観賞にも耐え得るクオリティを追求しているようです。
所属タレントもファンもいい大人になっていることだし、徐々にでも“アイドル専門事務所”のイメージが薄まって行くといいな。
そうなることで、力はあるのに“ジャニーズ”っていうだけで正当な評価を受けていない所属タレントが、見直されることもあるかと思う。
あとグループの寿命も延びる(笑)。
それに合わせて、こちらも“大人のファン”になっていかないと……ですね。