ほんのりへそ曲がり

「アイドルは楽曲だ」という信条のもと、楽曲を中心にV6と関ジャニ∞を語る

「アレンジ」という魔法にかけられて~『Re:LIVE』感想・1

では、『Re:LIVE』感想です。

 

前回の日記で、歌詞が“歌の詞”というにはストレート過ぎると書きました。

確かに歌詞としてはやや重いというかカタい、肩に力が入りまくってる。

しかしそれでも「アレンジ」という魔法にかかると、明るくさわやかな“シングル表題曲”に見事に変身してしまうんですね。

 

『Re:LIVE』完成版をradikoタイムフリーのオールナイトニッポンで、ベッドに横になりながら聴いていたのですが、思わず飛び起きましたよ。

パイロット版と全然印象が違う!

 

明るく前向きで疾走感のある、まるで『LIFE~目の前の向こうへ』のような楽曲になっている…そう、ANNと『音楽の日』で2回聴いて、なんかアレンジが全体的に『LIFE』に似てる、と思っていたのですが、編曲者はやはり同じ大西省吾さんでした。

 

 

特に曲の冒頭、

「何度でも立ち上がって~届け」の歌サビから始まり、ギターとストリングスのイントロが入り、そしてAメロ、という構成はほぼ『LIFE』と同じ。

しかし、よく聴くと微妙に違っていることに気づきました。

楽器の使い方が違うんです。

 

歌の入りはキーボード単音、途中から、ストリングス、ギター、ドラムに変わる。(『LIFE』では入りからこの3つを使っていて変わらない)

しかもその変わるタイミングがミソ。

「何度でも立ち上がって」←ヤス

「その笑顔が見たくって」←ヨコ

ここまではキーボード単音。

「今日もここで歌うんだ」←たっちょん

このパートの途中からストリングスが入ってきて、

「ずっと変わらないこの願い」←マル

ここの後半から音のメインがキーボードからギターに変わる。

最後のヒナパート「届け」では、バックは完全にストリングス、ギター、ドラムの三音になっている。

 

これは、ヒナがキーボードを弾くことを念頭に置いた編曲なのではないか、と思うのです。

『Re:LIVE』はやっぱりバンド曲想定なんですね大西さん!

 

 

歌い出しだけでなく、全体的にキーボードパートが今までのバンド楽曲より増えているような気がします。

ギターメンバーが減った分キーボードパートが増えるのは 必然と言えば必然ですが、恐らくそれだけが理由ではない。

キーボード音---“鍵盤”の音色というのは、時に悲哀や切なさを感じさせるものです。

その特性がすごく効果的に使われている。

 

 

 最もわかりやすいのは、大サビのヤスソロ。

「“正しい理由” 誰もわからないでしょう」

ここのバックもキーボード単音なんです。

1番2番のBメロと同じちょっとマイナー調のメロディ、それを奏でる鍵盤の物悲しい音色と、ヤスの切ない歌い方が相まって、聴いていると思わず胸がきゅっとなる部分です。

 

 

『Re:LIVE』はアップテンポのバンド曲(もうそう決めた)ではありますが、これまでの行け行けゴーゴーなバンド曲と違い、ちょっと“痛み”や“暗さ”のある楽曲です。

 

シングル表題曲らしく全体的には明るくは仕上げているものの、その痛みや切なさも上手く織り込んでくれたアレンジは、さすがプロの技とうならずにはいられません。

大西さんいつもありがとうございます*1

 

 

 聴けば聴くほど、キーボード大活躍なこの曲。

バンド演奏する時ヒナちゃん絶対大変(笑)。

 

 でも“音符が空中に見える”ほどぎこちなかったキーボード演奏が、『元気が出るLIVE!!』ツアーでのすばるとの『乾いた花』では、聞き違えるほど上達してましたから。

きっと『Re:LIVE』でも、やってくれると思います。

 

 

前回書いたように、「こういう“内輪向け”楽曲はあまりシングル表題曲にしない方が良いのでは」という意見は変わりません。

しかし、個人的にあまりハマらなかった楽曲が、「アレンジ」という魔法にまるめ込まれもといかけられて、ヘビロテ曲になってしまったのは事実。それとこれとは話は別です。ファンってちょろい(てへぺろ)。

 

で、恐らく本来は、こっちがシングル表題曲になるはずであったんだろうな…という『歓喜の舞台』については、また次回。

 

*1:『LIFE~目の前の向こうへ』とアレンジが似ているのは、『Re:LIVE』が『LIFE』のアンサーソングだとか、何かしらの繋がりがあるみたいな意味合いを含んでいる…というのは私の勝手な思い込みです。そうであって欲しいな、という。